特選『まなざしの連鎖』

まなざしフォト部三期フォトコンテスト「まなざし」受賞
慣れた手つきで操作する
八十八の曽祖父の手

見返すひ孫のまなざし

シャッターボタンを押して保存された
そのまなざしは、御守りみたいに
曽祖父のすぐそばに在り続ける。

どんな高画質の写真を共有されるより、
自らの指で、触れて、撮るまなざしに価値がある。
そんなメッセージが聞こえてくるようで
すこしハッとした。

それなら私は、一歩引いて
そのやりとりごと写真に残そうと思う。
「おじいちゃん、スマホの操作早くなったね」
「あ、こっち見てる!」
「泣かないで偉いね」
写っていなくても聞こえてくる声の数々を
周りのみんなのやさしいまなざしを
写真は確かに残してくれる。


写真・キャプション:popo



顧問コメント

おじいさまがお孫さんを愛おしく撮られてる姿、そのおじいさまのまなざしが残るスマホ内のお写真、おじいさまの思いも乗っているような一枚です。そしてそれをおじいさまのまなざしメインで撮られるpopoさんからもおじいさまの気持ちを大事にされてるのが伝わりました。優しく強い一枚だと思います。

講評:相武えつ子さん(まなざしフォト部の顧問)


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